FC2ブログ

スポンサーサイト

--/--/-- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

きえる(槍弓駄文)

2009/02/19 02:58
久しぶりに書いた文がこれってのもなんだかアレな気がします。
若干腐ってるので読む方は注意してください。
一応追記に隠しておきます。

槍弓ですよ!


きえる




雲ひとつ無い青空だった。
空にあるものといえば、眩しくて直視できない太陽と飛行機ぐらい
鳥の姿も見当たらない。出来の悪い絵画みたいだ。
まだ春にもなっていないというのに、シャツ一枚で十分な暖かさ
肺に吸い込んだ空気まで暖かいようで、人より少し低い体温の身体が温まった気がした。
両手をぐっと握り締めて開くと、わずかに赤くなっていて身体を満たす赤い液体を思い出す。
人ではない身体に、命の水が流れていることの不思議。
生きてないのに存在している矛盾。身体の細胞が音を立てて崩壊してもおかしくない疑問点。
もともと柔軟な考えが出来るほうではないので、思考の海に沈むとなかなか浮かび上がってこられない。
背後から声をかけられるまで彼は自らの深海へと落ちていた。
「おい」
「…なんだね、ランサー」
ゆっくり振り返れば深い青の髪を風に揺らす、赤い瞳の男が一人。
白いTシャツにジャケットだけの姿が季節をまるっきり無視しているがそこはいつものことなのでスルーする。
今日は珍しく皮のファー付きジャケットを着ているからまだ普段よりはマシかもしれない。
「なにぼーっとしてんだ、お前は」
「いつものことだろう」
「ああ、いつものことだからこそ尚悪い」
アーチャーのように眉間に皺を寄せたランサーが、彼の力の抜けた腕を取る。
どうした?と顔を覗き込めば、困ったような表情がとても綺麗だった。
「…君はどんな顔をしても綺麗だな」
「…何寝ぼけてんだ、てめぇは…」
まったくとため息混じりに零して、片手でアーチャーの髪を少し乱暴に撫でた。
子供にするようなその仕草に、なんだかちょっとだけ心が温かくなる。
冬にしては少し暖かい日だったから、人よりも少し低い体温の彼は温まりやすいのかもしれない。

「それで?君は私をこんなところに連れてきてどうするつもりなんだね?」
「うーん別にこんなつもりじゃなかったんだが」
顔のすぐ横にある草の匂いに顔をしかめて、彼に圧し掛かる男の背後に雲ひとつ無い青空を見る。
まだ昼だというのに何故、しかも野外でと思いつつも、目の前の男に何を言っても無駄と諦めているので抵抗はしない。
「お前が可愛いこと、言うから」
ちゅと頬に口付けを落とされて、小さく声を上げる。
「…なにがさ」
「ばぁか」
何度も何度も口付けを落とされて、ふぁと唇から漏れた吐息が色づいていてなんだか少し恥ずかしかった。
きつく肌を吸われると刺したような痛みが身体に走る。
ちくりとした痛み。強く身体を抱きしめられる痛み。
肌を滑る滑らかな彼の舌と、指。
やわい場所を他人に触れられる恐怖、他人に暴かれる快感。
全てが自分の身体で起きていることなのに、自分では制御できなくて
「…ぁ…」
持ち上げられ、抱えられた足が空を蹴った。
中を探る指がもどかしくて、アーチャーの足を抱えるランサーの手に爪を立てる。
ぎりと食い込む肉に答えるように、中を探る指が増えて息を呑む。
「あぅ」
「唇切れる、声出せよ」
頭をゆったりと横に振ると、きつく閉じた眼から涙が少しだけ流れて落ちる。
頬を伝って地面の、草の間に落ちてゆく水の雫。
もったいない、とべろりとまぶたの上からランサーに舐められた。彼の笑う気配。独占欲の塊。
身体から流れ出る液体の全てを地面が、目の前の彼が奪っていく。
「…痛くて、いいから」
必死に伸ばした手は、壊れ物を扱うみたいにランサーの白磁のような頬を包んだ。
赤い瞳は熱に潤んでいて炎みたい。きらきらして飛び込んで全て燃やし尽くしてしまいそうな、情熱の赤。
「ん?」
「痛くて、いい。だから」

消さないでくれ

人ではないのに、死者なのに存在している不安定さ。
矛盾が彼の心を苛んでいて、いつだって現実感がない。
夢なのか、幻想なのか、壊れかけの自分の妄想なのか
あの青い空も、飛行機も、草も、空気も、目の前の男でさえも

「…しらねえぞ」
押し付けられた熱い塊が、身体の中を押し入ってくる。
ぬるりとした感触と、それ以上の痛みと圧迫感に大きく息を吸い込んだ。
声を出さないようにする。しがみついてわめいたらどれだけ楽なんだろうと思いながら
地面の草をぶちぶちと引きちぎりながら、耐える。
「…うぁ…」
「…この、ばか…」
痛いのはきっと彼も同じ。
そう思うと無性に悲しくて、嬉しくて、また涙がでた。

汚泥を踏み荒らすような音と、揺すられ踏みにじられる内部が痛みとは違う感覚を連れてくる。
空に向かって手を上げた。つかめるものは何も無い。
ランサーがその腕を掴んで指先を食むと自分の手に重ねてくれる。
そして甘いキスを

きえる

存在の矛盾からなる不安定さは、いつも消滅の恐怖を彼に与える

いつ消えても構わないと思っていたのに


いつもこうして抱かれて
痛みを与えてもらえれば

自分を感じていられるのに、と


消えても構わなかった自分と消えてしまいたくない自分
救えるのも絶望の闇に落とすのも、全ては彼



きえる

この痛みが、ぬくもりが消えてしまったら



きっと
スポンサーサイト



Comment Post

Name:
Subject:
Mail:
URL:

Pass:
Secret:管理者にだけ表示を許可する

Trackback

Trackback URL:
 Home 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。